抗がん薬治療中に出る発熱は、治療や病態によるもの、病原菌の感染によるものなど様々な原因があり、その原因によって対処法も異なります。

一番多い原因は感染によるものなので、まずは感染を疑って対応することが多くなり、抗菌薬を3日間程度飲んでみて熱が下がるかを見ます。

それでも熱が下がらない場合は、また別の原因を探っていくことになりますが、体温の変化や症状などを記録しておくと診療の手掛かりになります。

症状

  • 発熱
  • 発熱に伴う寒気、ふるえ、頭痛、筋肉痛、関節痛、喉の痛み、といった風邪のような症状
  • 発熱に伴う咳、息切れなどの呼吸器症状
  • 発熱に伴う下痢、吐き気、食欲不振などの消化器症状

治療方法

抗がん薬によって白血球が少なくなると免疫力が下がり、病原菌に感染しやすくなります。病原菌に感染すると、身体は熱を出して病原菌に対抗しようとします。

このように感染が疑われる場合には抗菌薬を3日間程度飲んでみて熱が下がるかを見ます。

また、抗がん薬によって腸内細菌のバランスが崩れて、腸内環境が悪化しても、病原菌の感染が起こりやすくなります。発熱に伴って下痢、脱水症状などの症状が重なる場合もあり、その場合も抗菌薬を3日間程度服用してみます。

発熱性好中球減少症という、特に注意すべき状態になっている時もありますので、発熱したら、主治医の先生や看護師さん等にご相談してください。

ご自身で出来る予防策、対応策

健康な時には問題とならなかったような病原菌で感染してしまうことがあります。

感染を防ぐために、手洗い・うがいや、身体の清潔を保つことを徹底しましょう。また、治療中は人込みを避ける、などの対策も有効です。

発熱した際は、抗菌薬の服用などが検討されます。寒気などがある場合は、身体を温めてあげてください。

発熱に伴って脱水症状が起こることがあるため、十分な水分補給も必要です。食事も無理せずに、消化の良いものをとるようにしましょう。体調によって、お風呂に入ることも可能ですが、体力を消耗しないように時間を短くするなどの工夫をしてください。