今回は、みかさんが乳がんを早期発見した経緯について紹介します。
友人との会話をきっかけに、がん検診に興味をもつように
2016年の2月くらいに、私は友達から「乳がん検診行ってる?」と聞かれました。
友人の問いかけに対し、「行っていない」と答えたところ「行った方がいい」と言われたのをきっかけに、乳がん検診について気になるように。
私は、定期的に会社の検診は受けていたものの、乳がん検診をはじめとしたがん検診には、それまであまり関心がなく、無料で検診が受けられる受診券も処分していました。
しかし、友人の一言をきっかけに「がん検診にも行かないとまずいのかな?」と思うようになり、急いでがん検診の受診券を探しましたが、やはり捨ててしまっていたのか見つけることができませんでした。
そこで市役所に電話をし、「がん検診を受けたいけれど、受診券を捨ててしまった」と相談したところ、「気になるなら、すぐ行ってください」と、市役所の職員の方が受診券を取り寄せて、すぐに送ってくれたので、スムーズにがん検診の予約に進むことができました。
初めてのマンモグラフィー検査で乳頭から出血、病気だと自覚するように
無事に受診券を手に入れ、私は自分で病院を探してがん検診を予約しました。
友人と会話をしたのが2月、年度内に受けられるがん検診は3月までなので、かなりギリギリのタイミングでの予約でしたね。
病院に電話をし、「この日なら空いているから来てください」と言われたのが、たぶん3月の半ばぐらいで、そこで初めてマンモグラフィー検査を受けました。
マンモグラフィー検査は左右どちらの乳房もやる流れですが、検査中に乳房を機器でギュッと押しつぶしたときに、乳頭から出血したんです。
突然の出血に驚き、混乱したけれど、検査技師さんのびっくりした表情を見て、「あ、私は病気なんだ」とすぐに認識しました。
検査を終えて「待合室で待っていてください」と言われたのですが、担当の検査技師さんも「自分がびっくりした表情を見られてしまった」ことで、何か対応しないとまずいと思ったのか出てきてくれました。
そこで「全然病気じゃないから気にしないでくださいね」と言われたんですよ。
でも、「気にしないでくださいね」って言うってことは、「がんがあるとか、そういうことなんじゃないかな」って思っちゃいました。
そこで私から「がんなんじゃないですか?」と聞くと、「いやいや、まだわからないから。結果票は郵送で送られてくるから、待っていてください」と言われてその日は終わりました。
要精密検査となり、再度病院へ…
そして2~3週間後ぐらいに検診結果票が来て、要精密検査って書いてあったんです。
結果票の要精密検査の文字を見て「私はやっぱり乳がんなんだ」と思いました。
それで近くの病院に電話をしたところ、「すぐ来てください」と言われて行きました。
当時、私は離婚をしていて、仕事をしなきゃいけなかったんです。
なので、病院で時間をつぶすことは、私にとってはすごくダメなことだったんですよね。
精密検査のために病院に行ったら、すごく混んでいて…午前中に終わると聞いていたのに、当日になって「午後まで検査がかかっちゃうかも」と言われてしまって。
私も仕事があるので、「だったら、もういいです。他の病院に行きます」と言って、目の前にあった別の病院に電話をしました。
すると、電話に出た看護師さんが「すごく混んでるから、今の病院で待っていたほうがいいよ」って言ってくれたんです。
その言葉がなかったら、私は病院に行かずに帰っていました。
ただ、病院で長時間待つことになったので、会社には「ちょっと精密検査になっちゃったから、午前休みの予定を1日休みにします」と電話してから、病院に行くことにしました。
病院に行って、先生に精密検査の結果票を見せたのですが、ちょうど2016年は小林真央ちゃんが乳がんで亡くなった時期だったこともあり、乳がんの検診がすごく増えたみたいで、病院の皆さんは一生懸命対応されていました。
技師さんとか先生とかが10人ぐらいで検査画像を見て、見た人の所感が10人中1人でもアウトだったら精密検査になるという感じで、私の場合は、アウトが2人だったんです。
10人中8人は良性、つまり80%は良性で20%はダメっていう感じだから、そのときは
「多分大丈夫だよ」としか言われませんでした。
それで「今度エコーを撮らなきゃいけないから、2週間後にまた来て」と言われたんです。
「大丈夫」と言われて安心していたものの、MRIの結果、乳がんセンターへ
前回の検査のとき、先生方に「もう大丈夫だよ」と言われたので、そこまで不安を感じることなく、安心して過ごしていました。
そして2週間後に、また病院でエコーを撮り、その結果を5人くらいの方が見てくれました。
その結果、5人のうちの1人の先生が、「これはMRIに入った方がいい」と言ったんです。
それでMRIに入って、撮った画像を見てもらったところ、エコー段階で「悪性だよ」と先生に言われたところは、乳がんではありませんでした。
ただ、MRIに入らなかったら、乳がんって見つからないんですよね。
私のがんは、ちょうど乳輪と乳頭の真下にできていて、乳がんになる部位のなかでも、本当に数少ない箇所なんですって。
その希少な箇所で発症した乳がんを、MRIで先生方が見つけてくれたのは、本当にラッキーだったと思います。
撮影したMRI画像を見たところ、「ちょっと怪しい」ということで、そこでは「乳がんです」とは言われなかったけれど、「ここの病院じゃ診察できないから乳がん専門の乳がんセンターというところに行ってください」と言われました。
有名な先生のいる乳がんセンターで、細胞診が決定
「乳がんセンターの予約は自分でとってね」と言われて、私が電話したのは、「乳がんの有名な先生がいる」と紹介してもらった鎌倉の湘南記念病院でした。
私は介護士なんですけど、湘南記念病院に行ったときに、「ご縁だな」と思ったことがあって、なんとその病院は自分が働く介護施設の利用者さんを連れて行っていた病院だったんですよ。
利用者さんを連れて、湘南記念病院には何回も行っていたので、「ここに乳がんセンターがあったんだ」と思いました。
そこで前回撮影したMRI画像を見せたところ、先生ははっきり「乳がんです」とは言わないけれど、多分画像を見ただけで乳がんだと分かったのでしょうね。
「細胞診をしなければならないから、注射で細胞を取って病理検査に回す」こと、「結果が出るのは2週間後である」ことを説明されました。
先生に「一人で来ないでね」と言われ、乳がんを確信
先生に「病理検査の結果を聞きに来るときは、一人で来ないでね」と言われたんです。
私は「そんなことを言うなんて、もう乳がんで決定でしょう」と思いました。
それで我慢できず、先生に「私は乳がんなんでしょう?」と聞きました。
すると「いやいや、そんなことないよ。病理検査してみないと分からないし、万が一のことを考えて一人で来ないでねって言っているだけだよ」と言われたんです。
でも、私は「もう絶対に乳がんだ」と内心思っていました。
乳がんセンターで細胞診をしたのは、5月2日のゴールデンウイーク中でした。
というのも、すでに細胞診の予約がいっぱいで、はじめは「5月はもう無理です」と言われていたんです。
そこに、「たまたまキャンセルが出て1枠だけ空いているから、5月2日なら検査できる」と知らされて日程を決めたので、検査時期も「たまたま空いていたから、その日程にした」という感じでしたね。
それで5月2日に細胞診して、5月17日に結果を聞きに行きました。
待合室から呼ばれ、先生に会うと「今日は誰と来たの?」と聞かれたので「お友達です」と答えました。
すると「じゃあ、そのお友達も中に入れて」って言われて、「あぁ、やっぱり私は乳がんなんだ」って思いました。