今回は、みかさんがご主人と出会って気持ちが救われたときのことを紹介します。
家族に反対されても、手術をすると決めていた
私が乳房を全摘したのが2016年の7月で、その2~3カ月後に今の主人に出会いました。
その頃から、主人は私をすごく支えてくれていました。
再建手術を決めたときには主人がいて、最初は反対されましたが、私は反対されても他の人の意見を聞かないから、手術をすると決めていました。
主人だけじゃなく、息子たちも母もいい反応はしなかったです。
全身麻酔で12~13時間ぐらいかかる手術なので、息子や母は「もし失敗したら死んじゃうかもしれない。」と最悪の場合を考えていたそうです。
「別に乳房がなくてもいいじゃん」とも考えていたみたいですね。
先生にも「2%くらいの確率で、失敗して乳房が腐っちゃうこともあるよ」と言われました。
でも私は、再建手術で乳房ができあがったら、ブラジャーをしても胸付近の肉がえぐれないということしか考えていなかったので、手術が失敗することは想定していませんでした。
想定していないというより「失敗してもいいから、再建手術はやる」という感覚でしたね。
私の決意を聞いても、息子や母は「もしかしたら手術が失敗して乳房が腐るかもしれないし、がんが治っているのにやる必要はないんじゃないの?」と心配していました。
周りになにを言われても、私はブラジャーを付けたかったし、胸張って歩きたかったし、着替えも乳がないことを隠してこそこそしたくなかったので、揺らぎませんでした。
主人との出会いが私を救ってくれた
最初は「結婚したい!」と思ってマッチングアプリをやったわけではなかったんです。
おっぱいを失くしちゃったショックで生理も来なくなって、「もう女じゃないじゃん」って思ったところから、「女の気持ちってまだ私にあるのかな」と確認したくなりました。
「誰でもよかった」じゃないですけど、男の人と一緒にいて、体的じゃなくて心的に「私って女なんだ」と思いたかったんだと思います。
7月に全摘の手術をして、9月ぐらいにマッチングアプリに登録し、今の主人と出会ったのが10月31日でした。
初めて主人と会ったその日に、私はマッチングアプリの利用を終わらせようと決めたのを覚えています。
主人とは鎌倉で初めて会って、帰りがけに「また会いませんか?」と言われたんですけど、「今日で終わりでいいです」と答えました。
続けて、乳がんになったことをきっかけにブログを書いていたので、「私のブログを読んで、それでもご縁をつなぎたいって思うんだったら連絡ください」って伝えました。
そうしたら、分かれてすぐに主人が私の乳がんブログを読んでくれて、「今までこれを1人で抱えていたの?」と電話してきてくれたんですよ。
家に帰ってから連絡するとすごく時間がかかるから、「みかさんが不安な気持ちをずっと抱えていると辛くなっちゃうだろうな。」と電話をくれて、「お互い年だからいろいろな病気が出てくるだろうけど、今度は一緒に抱えよう」と言ってくれました。
でも私としては、結婚する相手が乳がんでおっぱいがないのはすごく嫌だと思っていました。
お荷物じゃないですけど、再発や転移があるかもしれない状態では結婚しない方がいいと思っていたからです。
だからこそ、主人が私の考えと違ったことでけっこう救われました。
本当にいい人に出会ったと、それこそ宝くじに当たるよりすごい確率ではないかと思いました。
私と主人のことを話すと、「結婚生活をしていて、奥さんが乳がんになっちゃったのと、結婚する前から乳がんの人をわざわざ嫁にもらうのは状況が絶対違うよ。旦那さんにすごく感謝したほうがいいよ」といつも言われるんですよね。