本記事は、YouTubeで発信されている「乳がんサバイバー看護師」ゆりさんの体験談をまとめたものです。
ゆりさんの担当医である、大阪医科薬科大学 乳腺・内分泌外科 岩本充彦先生の「ゆりさんの一人の患者として、また看護師として、まだ見ぬ誰かを、あるいは多くの乳癌患者を、自身の経験を語ることで勇気づけたいとする想いを繋げていきたい」というお気持ちに賛同して作成しています。
本記事は、ゆりさんご本人の主観を優先しているため、科学的根拠等について医師監修は行っておりません。
そのため、ご紹介内容の実例は全てを保証するものでは無いことをご留意ください。
今回は、ゆりさんが抗がん剤のアバスチンとパクリタキセル3クール終了後、それぞれの副作用と副作用に対して使っていた漢方や亜鉛の効果についてのお話になります。
アバスチンとパクリタキセル投与中に使用した薬
以前、パクリタキセルを使った時に以下の3つの症状を経験しました。
・味覚障害
・神経障害
・手足症候群
今回は、これらの症状に対して、「牛車腎気丸」という手足症候群に効く漢方と、味覚障害に効果のある「亜鉛」を積極的に摂るようにたところ、驚くほど効果を発揮してくれて。どう効いてくれたのか、紹介したいと思います。
また、アバスチンに関しては、血が止まりにくくなって鼻血がでたりすると副作用として書いてあったのですが、実際に出た副作用についてもご紹介します。
まずは、手足症候群対策に飲んでいた「牛車腎気丸」についてお話しますね。
手足症候群対策「牛車腎気丸」の効果
手足症候群に関しては、びっくりするくらい牛車腎気丸が効いてくれて「牛車腎気丸様様」と思っています。
一番最初にパクリタキセルを使用した時に、トータル12回投与しました。最後の方になると指の第一関節のところがすごく痺れていて、足の指も同じように痺れていました。
その時は、ものを掴んだりするのがむずかしい時期もありました。
しかも、パクリタキセルの投与が終わっても痺れが半年くらい続きました。
今回は、パクリタキセルを使い始めて3~4回目の投与ではほとんど手足症候群をほとんど感じませんでした。しかも9回パクリタキセルを使ってみても、手足症候群や痺れとかがほとんど出てないと思えるくらいの状態です。
たとえば、ペットボトルを開けるのに力が入らないとか、缶をカチっと開けられないなど、日常生活で困るほどの手足症候群という痺れがでなかったかなという風に思っています。
痺れがあると、どうしても気持ちが少し下がったりするので、牛車腎気丸が効いてくれてよかったです。
「牛車腎気丸」を服用することで、日常生活で困るほどの痺れは回避できる
味覚障害対策「亜鉛グミサプリ」の効果
今回は亜鉛のグミサプリや、ファンケルの亜鉛サプリを積極的に摂ったのがよかったのか、味覚障害はなかったなと感じました。
1回目に味覚障害が起きた時、パクリタキセルで少し吐き気が出ました。抗がん剤の影響で気持ちが悪かったのですが、口の中に膜が張ったような状態で、さらに気持ちが悪くなりました。
今回は、亜鉛を摂るだけで「え、こんなに変わるのかな?」と思うぐらい、おいしくご飯を食べられました。
味覚障害が起きている時は、甘いものがおいしく感じていたので、塩味や苦味を悪い方向に感じていたようです。おいしくない方に敏感になっているところもあれば、塩分は感じないこともあり、前回は甘いものを食べる方に偏っていました。
しかし今回は、自分が食べたいと思えるものを食べて、ちゃんとその味覚を感じることができたと思います。
パクリタキセルを投与していると、味覚障害が出てしまうと思うので、同じような症状で困っている方は一度亜鉛を試されてみるといいと思います。
「亜鉛」を摂取することで、自分が食べたいと思えるものを、おいしく食べられるようになる
鼻血は耳鼻科で3つの対処をしてもらう
私の場合、アバスチンの副作用で出てきたのが、鼻血です。鼻血が結構止まらなくて…
一番最初に鼻血が出た時、鼻の奥が詰まっているような感じがあったので、一度強めに鼻をかんだんです。
そしたらおそらく、ちょっと出ていた粘膜からの出血がビシャッと出てきてしまって、そこから鼻血が止まらなくなってしまいました。鼻血の時は止まるまで時が過ぎるのを待つしかないので、お風呂に入る時などとても注意しました。
元々長風呂が大好きなのですが、お風呂に使っていると急にツーって鼻血が出たりするので、シャワーだけにしたりして、できるだけ刺激を少なくするようにしました。
しかし、鼻を極力かまないようにしていると夜中に喉の奥に血が垂れ込んできて、朝起きた時にうがいをすると、小さい血の塊がボロボロって口の中から出てきたりもしました。
検査データは悪くなかったのですが、鼻血には相当苦しめられました。
鼻血を止める方法は、耳鼻科で以下の3つの対処をしてもらいます。
・耳鼻科で鼻血の時に何か詰め物をしてもらう
・血管を少し締めるような作用のある薬を塗布して、血管を収縮して血を止める
・どうしようもない時は焼く
焼く方法は、血の出ているところを焼いて塞ぐ方法です。私はしたことがないのですが、焼くと鼻に一生焦げの臭いが残ると聞きました。
また、コロナの関係でファイバーが使えないので、「とりあえず20分止まらなければ、また救急外来に来てください」と言われたので、結局静かな生活を送って、鼻血をコントロールして過ごしていました。
副作用をおさえた結果
一度抗がん剤の量を減らさないといけない厳しい状況がありました。しかし、腫瘍の大きさのこともあったので「まだ鼻血が止まっているので、このまま治療を続けましょう」ということになり、結局アバスチンとパクリタキセルの投与を3クールしました。
一時期に比べると腫瘍が小さくなったのですが、小さくなってまた大きくなってという感じだったので、継続使用していくほどの効果ではなかったという感じでした。
次はFECという新しい薬に変えることになったので、抗がん剤ソムリエみたいな感じでいろんな薬を使わせていただきながら治療を進めています。
首に信じられないくらいの大きな腫瘍があったことを考えると、治療の選択肢もあり「次はこの薬使って治療していきましょう」と提案してもらえる環境であることを、ありがたいと思っています。
また、髪の毛もウィッグでアレンジしたりして、楽しみながら生活しています。
3クール終わり、今回の薬で痺れが出て歩きづらいなど日常生活へ影響が少なかったので、私も前向きな気持ちで薬に臨めたかなと思っています。
治療をしていると、どうしても日常生活で制限されることがあります。
私は、コロナが収束して一番にやりたいことがスカイダイビングなので、未来の目標や楽しみをいろいろ考えながら、今後も治療をがんばって続けていきたいと思います。
副作用をおさえることで日常生活への影響が少なく済み、前向きな気持ちで治療に臨むことができる