本記事は、YouTubeで発信されている「乳がんサバイバー看護師」ゆりさんの体験談をまとめたものです。
ゆりさんの担当医である、大阪医科薬科大学 乳腺・内分泌外科 岩本充彦先生の「ゆりさんの一人の患者として、また看護師として、まだ見ぬ誰かを、あるいは多くの乳癌患者を、自身の経験を語ることで勇気づけたいとする想いを繋げていきたい」というお気持ちに賛同して作成しています。
本記事は、ゆりさんご本人の主観を優先しているため、科学的根拠等について医師監修は行っておりません。
そのため、ご紹介内容の実例は全てを保証するものでは無いことをご留意ください。
抗がん剤治療の副作用による脱毛で「髪の毛がどのくらい抜けるのだろう」「髪が抜けた後はどうなるのだろう」と、不安に感じている方も多いかと思います。
脱毛は一時的なものなので、抗がん剤の投与が終われば脱毛は止まり、新しい髪が生えてくる方が多いです。
今回は、抗がん剤治療によって脱毛が始まった方や、これから治療を行う方に向けて、髪へのダメージが最小限に抑えられる洗髪のポイントをお伝えします。
脱毛中の洗髪方法で、髪の毛の再生具合が変わる
抗がん剤治療を始めるときに医師や看護師から「抗がん剤治療が終われば、髪の毛はまた元通りになります」というお話を受けた方もいるかと思います。
ただし「抜けた髪は、100%は元には戻らない」ということを、まず始めに心構えとして知っておいてください。
私自身は、抗がん剤の投与が終了して1年後、髪の毛の量は治療前と比べると全体的に減少したものの、また新しい髪の毛が生えてきました。
脱毛中の洗髪方法によって、治療後の新しい髪の毛が生えてくる量は変わってきますので、ぜひ、諦めずに正しいケアを心がけてください。
脱毛中の洗髪ポイント①:髪の毛を自分で抜かない
1回目の抗がん剤の投与後、2週間から3週間くらいで脱毛が始まる方が多いそうですが、私の場合も、2週間目から脱毛が始まりました。
少しずつ髪の毛が抜け始め、時間の経過と共に、触るだけでゴソっとたくさんの髪の毛が抜けるようになりました。
そうなると、気になって常に触ってしまったり、自ら髪を引っ張って抜いてしまいたくなるかと思いますが、そのようなことはやらないようにしてください。
なぜかというと、髪の毛を抜いてしまうと、毛根が無くなってしまうからです。
毛根が無くなると、髪の毛が生えなくなってしまいます。
なので、また新しい髪の毛が生えても、少し薄い場所ができてしまう方もいらっしゃいます。
統計的にも、抗がん剤を使用する前と比べて、同じように髪の毛が元に戻ったという方は全体の6割程度なんです。
つまり、4割の人は、新しく髪が生えてきても薄くなったり、何かしら気になるところがある、ということなので、脱毛が始まったときのケア、本当に気をつけてもらいたいと思います。
脱毛中の洗髪ポイント②:毎日、洗髪する
脱毛のときの最大のケアのポイントは、頭皮を清潔に保つことです。
髪の毛が抜けるのが気になり、刺激が良くないと感じて、髪を洗うこと自体や、シャンプーをやめてしまう方もいます。
ですが、抗がん剤と化学療法の治療の副作用によって、どうしても皮膚が弱くなってしまい、それが感染源になってしまって、別の問題を引き起こしてしまう可能性があります。
そのため、シャンプーを使用した洗髪は可能な限り毎日、行ってください。
脱毛中の洗髪ポイント③:泡立ったシャンプーで優しく洗う
洗い方のポイントですが、シャンプーをつける前にまずは髪の毛をしっかり濡らしてください。
そのあと、手の平でシャンプーをしっかりと泡立て、指の腹を使うようにして、優しく頭皮をマッサージしながらシャンプーしてもらえたらな、と思います。
ガシガシと洗ってしまうと、頭皮への刺激が強くて、ガーっと、髪の毛が抜けてしまうことがあると思うので優しく洗ってください。
洗い終わったら、しっかりとすすいでください。
髪の毛がキシキシする場合、リンスやコンディショナーも使っていただいて大丈夫なのですが、頭皮にはできるだけつかないように毛先だけ付けるようにしてください。
洗い終わったあとは、しっかりとタオルドライをして拭いてから乾かすようにお願いします。
脱毛中の洗髪ポイント④:シャンプーの泡立てには「ポンプ式」を使う
最後に、シャンプーの泡立てに役立つアイテムを紹介します。
頭皮を傷つけないためにシャンプーを「しっかりと泡立てる」というポイントをお伝えしましたが、液体のものを自分の手で泡立てようとすると時間がかかりますよね。
なので、ドラッグストアなどに売っている泡の出てくるポンプ式のシャンプーがおすすめです。
他にも、無印良品などにも売っているポンプ式のボトルは、液体のシャンプーを少し入れて、水を加えて混ぜると泡のシャンプーになるので、自作するのもいいですよ。
シャンプーの液体を水で薄めることで、刺激を抑えられますし、泡になることで洗い残しも減るので頭皮への負担を抑えられます。
次回は脱毛中の変化と注意事項について
今回は、脱毛中の洗髪の4つのポイントについてお話させてもらいました。
次回は「脱毛の変化と注意事項」についてです。
記事は下記ボタンまたはこちらから。
脱毛が始まってから、1か月後などの髪の毛の状態を写真で記録しているので、実際には、どういう流れで髪の毛が減っていったのか、お見せしながら お伝えしていきます。
こちらを読んでいただくことで、抗がん剤を使い始めて、脱毛の副作用に不安を抱いている方の何か助けになればいいな、と思います。ありがとうございました。