本記事は、YouTubeで発信されている「乳がんサバイバー看護師」ゆりさんの体験談をまとめたものです。
ゆりさんの担当医である、大阪医科薬科大学 乳腺・内分泌外科 岩本充彦先生の「ゆりさんの一人の患者として、また看護師として、まだ見ぬ誰かを、あるいは多くの乳癌患者を、自身の経験を語ることで勇気づけたいとする想いを繋げていきたい」というお気持ちに賛同して作成しています。
本記事は、ゆりさんご本人の主観を優先しているため、科学的根拠等について医師監修は行っておりません。
そのため、ご紹介内容の実例は全てを保証するものでは無いことをご留意ください。
今回は、ゆりさんが放射線治療を受けたとき「一番、しんどかった」とおっしゃる、マーキングについてのお話になります。
リハビリをサボってしまうと腕を上げているのが痛い
私が放射線治療で一番しんどかったのは、マーキングでした。
放射線治療をする前にCTを撮影して、私の身体に対してどのような角度で照射するか、という計算が行われます。
そして、放射線治療の機械の上に寝転がり、腕を上げてバンザイする体勢になって、レーザーポインターみたいなものをバーっと照射され、身体にマジックで線が書かれます。
治療は、その線に合わせて行われますが、身体がマジックで線だらけになっちゃうんです。
あと、線を書くために、バンザイの体勢を30分から40分くらい維持しなきゃいけなかったんです。
リンパ節の腋窩まで郭清していると、肩の可動域が悪くなっているので、腕を上げて手の先を後ろに伸ばすっていう体勢のとき、腕の内側が突っ張ってしょうがなくって、とても痛かったんです。
腕を動かすためのリハビリなどもやっていたのですが、少しサボり気味だったこともあり、とにかく痛くて。
バンザイの体勢になって、5分から10分は「痛いなぁ」という感じだったんですが、20分を越えたあたりから、指先に感覚が無くなり、痛みで体が震えました。息をするのも痛くて苦しいし、指先は震えてしまう。
そのような状態だったので、伝えたんですが「でも、これで今、腕を戻したらまた最初からになるから頑張って」と、言われてしまって。仕方がないのですが。
放射線治療を受ける前にマッサージやストレッチを行う
40分くらい要する精密チェック、という前提があるので、仕方がないことなのですが、マーキングするための体勢があまりにつらかったのでお伝えしました。
なので、これから放射線治療を受ける方は、ぜひ、肩のマッサージや腕を上げて後ろに曲げる運動をしてください。
マーキングが終わった後、腕を下げる動きが出来なくて、腕を動かすためにマッサージして少し動かし、またマッサージして、と繰り返さなくては痛くて動けませんでした。
私の体験談なので、痛くなかった方もいらっしゃると思います。
ただ、放射線治療を受けるほとんどの方は、腕を上げた状態で治療が行われるはずです。
事前にしっかり肩のマッサージやストレッチをやっていただくことをおすすめします。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
治療前のマッサージや運動を習慣にすれば、腕を上下する動きがスムーズにできる