今回は、みかさんが治療を通して感じている、人生の選択について紹介します。
自分らしく生きるために治療の有無を選択するべき
乳房がなかった時に比べれば、今の状態の方が良いのかもしれないですけど、左右のバランスも考えると「ああ」となる時もあります。
それでも全摘していないで温存していたら、今生きていなかったかもしれないことを考えると、やっぱり全摘して正解だったのだと思っています。
私は全摘で正解だと思えたけど、がんを患った後に生きることを選択することが絶対正しいわけじゃないかなって最近は思います。
今は医療がすごく発達しているから、必要以上に生かされちゃうという見方もありますよね。
ベッド上でいろいろな器具に繋がれたまま生きるんだったら、美味しいものを食べて、行きたいところへ行って、短命でも良いんじゃないかなって思う時もあります。
父が「好きなことやって死ねるなら本望だ」と言って54歳で亡くなったんですけど、最近では私は父の生き方を良かったんじゃないかなって思います。
長く生きているからすごいとかじゃなく、短くても「ああ幸せだった。俺の人生すごく良かった」と思って死んでいると思うんですよ。
長生きした方が良い、生きてさえいれば良いとも思いますけど、ただ生きていても「自分らしく生きられていないんだったら、どうなのかな」とも思います。
自分らしくいきいき生きることを思って、私は乳房再建しました。
それは私にとっては大正解なので、左右の胸がちょっとアンバランスで悩んだりもしますけど、井上先生は私のことをちゃんと見てくれていたんだなって思うんですよね。
上を見るより下を見た方が希望になるときもある
立場が違えば、ものの見方も変わってきます。
母に会った時には、父が早くに亡くなったから自分が支えなきゃいけないって思います。
でも今はおっぱいを切って左右の大きさがアンバランスですけど、主人が傍にいて私を支えてくれるので、私は今が一番幸せです。
これは今だから言えることです。
乳がんの時は中島みゆきさんの「時代」をずっと聞いて、今は苦しいけどその時の状況を受け入れて、いつか笑える時代が来る、辛い日もいずれ終わると思ってきました。
どん底だったらどん底にいても良い、それが楽だったり、自分で選んでいるのであれば良いし、自分が本当はどうしたいかだと思います。
どんな時でも、上を見るより下を見た方が良い時もあります。
私は乳がんの時にもっと辛い人がたくさんいるんだと思ってがんばれました。
上ばかり、健康な人ばかり見ていると辛くなってしまうので、もっと苦しくてもっと大変な人がたくさんいるって思うと生きる希望になると思います。