本記事は、YouTubeで発信されている「乳がんサバイバー看護師」ゆりさんの体験談をまとめたものです。
ゆりさんの担当医である、大阪医科薬科大学 乳腺・内分泌外科 岩本充彦先生の「ゆりさんの一人の患者として、また看護師として、まだ見ぬ誰かを、あるいは多くの乳癌患者を、自身の経験を語ることで勇気づけたいとする想いを繋げていきたい」というお気持ちに賛同して作成しています。
本記事は、ゆりさんご本人の主観を優先しているため、科学的根拠等について医師監修は行っておりません。
そのため、ご紹介内容の実例は全てを保証するものでは無いことをご留意ください。
MRIという言葉はよく耳にするかもしれませんが、検査の内容はあまり知られておらず、不安を抱えている方もいるでしょう。
今回は、ゆりさんが経験した脳MRI検査の流れや検査中の気持ちについてのお話になります。
脳MRI検査は磁気を使ってCT検査よりも詳しく調べる検査
脳MRI検査は磁気を使用して行う検査で、撮った写真に白と黒のコントラストをつけるんです。
この時のコントラストの濃淡で細胞の向きに異常がないかを確認します。
コントラストがゆっくり出るか、すぐ出るかで腫瘍も特定できるので、CT検査よりも腫瘍の状態をより細かく見られるのが脳MRI検査の特徴です。
脳MRI検査は検査時間も長く、予約が取りづらい
脳MRI検査は、以下のようなデメリットがあります。
①:検査にかかる時間が長い
②:予約が取りづらい
脳MRI検査は頭全体を撮るだけでも、早くて15分…遅いと30分程なのに対し、CT検査は5分10分で検査が終わります。
さらにCT検査は検査予約が取りやすいのですが、脳MRI検査はいつも予約がたくさん入っていて希望の時間で予約が取りづらいのが現状です。
脳MRI検査が受けられない人の特徴は3つある
患者さんの中には、脳MRI検査を受けられない人がいます。
脳MRI検査が不可とされる人の特徴は3つです。
①:閉所恐怖症である
②:刺青が入っている
③:人工インプラントを入れている
また、私のように乳がんの治療をしている人で、「エキスパンダー」を入れている場合も身体に金属を入れているのと同様なので、脳MRI検査が受けられません。
脳MRI検査の流れ
私は閉所恐怖症でも暗所恐怖症でもありません。
遊園地ならお化け屋敷もジェットコースターも大丈夫なタイプです。
そんな私でも、脳MRI検査は「怖かった」というのが本音です。
脳MRI検査では、まず機械の中に入って、頭を固定されます。
なぜ頭を固定するかというと、検査中に頭が動いてしまうと画像がぶれてしまって、検査が最初からやり直しになるからです。
脳外科の患者さんの場合は検査の時に少しだけ薬を使って、頭を動かない状態にすることもあります。
頭を固定した後は、フレームも装着して検査がスタートします。
検査中は頭の周りで7,8種類ぐらいの音がかなりの大音量でずっと鳴り響きます。
もちろん音の刺激を軽減するために、検査前には耳栓もして、顔周りに綿をたくさん敷き詰めてもらえます。
それでもブザーのような「ビーッ」という音、「ドドドドドドド」とか「バーバー」っていう工事中みたいな音と…とにかく色んな波長や高低の大きな音が鳴り続けるので、かなりしんどかったです。
検査中は動けないので、頭や首は楽な位置で固定するべき
私は、検査前に頭を固定してもらう時、最初は真っすぐ上を向いていました。
しかし固定バンドを付ける時に1センチ程、頭を横に向けちゃって、そのまま検査が始まったんです。
脳MRI撮影中は、身体や頭を動かさないのが鉄則です。
でも私は変な位置で頭を固定されてしまったため、検査の20分間で首がかなり痛くなり、堪えるのが大変でした。
なのでこれから脳MRI検査を受ける方は、頭を固定する時に違和感や痛みがあったら、すぐ先生や看護師さんに伝えて直してもらいましょう。
また、脳MRI検査では中世の甲冑のような被り物をして撮影します。
脳MRI検査前に「暗所恐怖症もしくは閉所恐怖症の方は注意が必要」と言われるのはこの被り物があるからなんですよね。
「脳MRI検査は大きな音がする」ことは比較的周知されていますが、実は検査中は視野もかなり狭まることを知っておいてほしいです。
検査内容は事前に詳しく知っておくと安心
「内容がよく分からない新しい検査をする」ことは、不安になりますよね。
でも、がんの検査項目ってかなり多くて…だから検査内容についてまとめて説明されても、あまり聞けていなかったり、覚えていなかったりするんです。
「ただの検査なんだから、細かい内容や段取りを知らなくたって変わらないよ」と思うかもしれません。
でも「脳MRI検査は、身体が動かせない・大きな音が耳障り・視野も遮られる」ということを事前に知っているかどうかで、検査前の心の準備具合が大きく変わります。
なので「そんなこと聞いていない!」と混乱せずに安心して検査を受けるために、検査については先生に聞いたり、調べたりして細かく知っておきましょう。
脳MRI検査がどういう検査かを事前に知っておくと、落ち着いて検査を受けられる