本記事は、YouTubeで発信されている「乳がんサバイバー看護師」ゆりさんの体験談をまとめたものです。
ゆりさんの担当医である、大阪医科薬科大学 乳腺・内分泌外科 岩本充彦先生の「ゆりさんの一人の患者として、また看護師として、まだ見ぬ誰かを、あるいは多くの乳癌患者を、自身の経験を語ることで勇気づけたいとする想いを繋げていきたい」というお気持ちに賛同して作成しています。
本記事は、ゆりさんご本人の主観を優先しているため、科学的根拠等について医師監修は行っておりません。
そのため、ご紹介内容の実例は全てを保証するものでは無いことをご留意ください。
抗がん剤治療の副作用により髪の毛が抜けはじめたり、ストレスで円形脱毛症になる方も少なくありません。
脱毛で悩んでいる方のヘアスタイルをケアするため、医療に関係した資格を持っている美容師のことを医療美容師と呼びます。
今回はゆりさんが実際に体験された、医療美容師についてのお話になります。
医療美容師を知ったきっかけ
今回、私が医療美容師のことを紹介した理由は、私自身が日本に帰ってくるまで医療美容師という資格があることすら知らなかったからです。
医療美容師を知ったきっかけは、友だちの紹介です。
私の友だちがヘアドネーションをしたことがあると言っていました。
そのときに私も一旦治療が終わって、もしヘアドネーションができるくらい髪の毛が伸びたらやってもらいたいと思い、美容室を教えてもらっていました。
そして今回日本に帰ってきたときに、その美容室がどういう場所にあって、どういうことをしているのか気になり、美容室のサイトを見て初めて医療美容師という資格があることを知りました。
調べても、私はあまり理解できませんでした。
私の抗がん剤治療がまた始まることは決まっていたので、その前に髪の毛のことを相談したり、ウィッグをどうやって切ってもらうのかなどの話を聞きに行けたらなぁと思い行ってきました。
患者さんの状態に合わせてヘアケアとウィッグケアをしてくれる
早速、美容室に行って髪の毛を切ってもらいました。
担当してくださったのは、MARUMIさんという方です。
私が話を聞いて、医療美容師はこういうことをするんだなぁと思ったことに関して話します。
脱毛症で困っている方やストレスで円形脱毛ができる方、生まれた時にすでに髪の毛が無いという方もいらっしゃると思います。
色んな脱毛症がある中で、そういう方のケアの仕方や、抗がん剤後の発毛時期に対するケアの仕方までご存知で、お話してくださいました。
もう1つウィッグの切り方をご存知だったのが、私にとって大きなトピックでした。
「え? でも美容師さんは、練習する時とかってずっとウィッグで切ってますよね?」と質問をしたんですけど、練習のウィッグって実際に頭があって、そこに毛がさしてあるので植毛状態にあります。
この植毛状態のものと私たちがつけているネットのウィッグは、髪の毛の切り方がわりと違うらしいです。
しかも、オシャレでウィッグをつけている方は、元々髪の毛が抜けていないので、産毛や揉み上げがあります。
でも、抗がん剤を使ってしまうと、揉み上げなども全部無くなってしまいます。
この揉み上げが無いのは本当に髪の毛として違和感がでてきます。
私も1個、美容室にウィッグを持って行ったことがありました。
そこでは長さを合わせてもらうだけで、産毛は作ってもらえなかったんですけど、医療美容師はそういう産毛を作る練習もするそうです。
例えば、ウィッグカットにこられた方に、ウィッグを被ってその人の顔の形に合わせて、自然な感じに後れ毛やアホ毛などをつけられるそうです。
別のお店の話で、私も1回リツイートさせてもらったんですけど、Twitterでウィッグの産毛の作り方というのがありました。
私の場合は、自分が被って後ろの産毛などが作りにくいので5,000円くらいでそのお店はやってくれると言ってました。
ウィッグに関して、安いものから高いものまである中で、自分に合った長さや前髪はすごく大事です。
これから美容室を探される方は、その医療美容師というのを探してみると、とても満足度の高い自分のウィッグができるのではないかなと思います。
実際に医療美容師に相談してみての気づき
実際に私が行ったお店は、とってもいい雰囲気でした。
カットする場所はたくさんあったんですけど、半個室みたいなものが2つ準備されていて、事前に連絡することで半個室で切ってもらえる配慮もしてありました。
わりと大きい感じの半個室だったんですけど、キッズルームと併設されているというのは、お子さんがいても一緒に連れて行けるので安心です。
私が行ったときもキッズカットに来ている方が、3組〜4組いらっしゃったくらい、とても良い雰囲気のところでした。
もしお近くだったら、行かれてみたらいいかなぁと思います。
私が行ったときはスタッフが7人いて、7人とも医療美容師の資格を取っているとおっしゃっていました。
私がこの髪の毛を切ってもらうときには、これから抗がん剤を始めること、髪が無くなってしまうかもしれなくて短くしようと思っているという話をさせてもらいました。
すると「今後、抜けていくこととかを考えるとこれくらい(ショートカット)の長さが1番引っかかったりせず良いと思います」というアドバイスをくださいました。
カットも中をちょっと梳いて脱毛が始まってから困らず、且つ自然な形の髪型をやってもらえたのですごく満足しています。
私は、部分で色を青に変えてもらいました。
このように遊び心もいれながら楽しくお話もしていたので、気兼ねなくできました。
前回治療の時に使っていたウィッグが、2つか3つくらい、Amazonで買った安い物があります。
そういうのも1回持って行ってウィッグアレンジしてもらうと、もしかしたらまだ使えるんじゃないかなと思います。
1回切ってもらったウィッグもあるんですけど、産毛などが無くて被ってると違和感があるので、そちらも調整してもらおうと思います。
そのときのことも、今後紹介できたらいいなぁと思っていますので、また見ていただけたら嬉しいです。
医療美容師という資格を知って、より良いアピアランスケアやウィッグライフを送っていただけたらと思います。
私が行った「arbre hair design」の紹介
お店の内装から紹介していこうと思います。
とても雰囲気が良いんですけど、オープンフロアの所はかなり光の入る明るい感じになっています。
ここでまず髪の毛切ってもらったんですけど、赤ちゃん筆を作ろうかなと思いわがままを言って1番最初の毛束は自分で切らせてもらいました。
髪の毛切ってもらって、部分的に青を入れる関係でブリーチしてもらうなどして、もうずっと喋っていました。
「あーじゃない」「こーじゃない」や医療美容師のことについてなど、熱く色んなことを教えてもらって、こういう方がいるのはすごく嬉しいなぁと思いました。
またMARUMIさんにウィッグアレンジなどを、お願いしようかなと思っています。
髪の毛が染まった後は半個室スペースに移動しました。
カッティングスペースと洗髪台があって、横には子どもたち用のキッズスペースもあり少し大きいフロアになっているのでカーテンで仕切りをして個室にすることもできます。
お店の雰囲気もかなり良くって、お会計する所には乳がんのサンプルがあって参考にもなるので、是非行かれてみてはどうかなと思います。