本記事は、YouTubeで発信されている「乳がんサバイバー看護師」ゆりさんの体験談をまとめたものです。
ゆりさんの担当医である、大阪医科薬科大学 乳腺・内分泌外科 岩本充彦先生の「ゆりさんの一人の患者として、また看護師として、まだ見ぬ誰かを、あるいは多くの乳癌患者を、自身の経験を語ることで勇気づけたいとする想いを繋げていきたい」というお気持ちに賛同して作成しています。
本記事は、ゆりさんご本人の主観を優先しているため、科学的根拠等について医師監修は行っておりません。
そのため、ご紹介内容の実例は全てを保証するものでは無いことをご留意ください。
がんのしこりが大きくなると痛みが出てきて、日常生活にも支障が生じます。
今回は、実際にゆりさんが経験したしこりの成長に応じた痛みのこと、そして痛みを楽にするために使っていたものについてのお話になります。
3種類の検査を経て、遠隔転移なし。遺伝子検査へ
転移を調べるために、私がやった検査は3種類です。
①:造影CT
②:骨シンチグラフィー
③:脳MRI
先生によると「遠隔転移があった場合、使う抗がん剤は決めていた」みたいですが、幸い遠隔転移は認められませんでした。
そこで「遠隔転移が無ければ、遺伝子検査をしっかりして結果次第でお薬を選びましょう」ということで、今は遺伝子検査の結果を待って3週間目です。
検査結果は良かったが…しこりの成長で皮膚が変色し、不安は消えず
検査の結果、私は「今分かる範囲では遠隔転移が無い」「医学的に予後が見えるような状態ではない」とされています。
でも「こんなにしこりが大きくなるペースが早いのに…本当に大丈夫?」と不安ばかりです。
実際に見ていただくと分かりますが、皮膚の色が変わってきたんですよね。
きっとしこり部分の腫瘍が徐々に大きくなってきたので、腫瘍周辺の正常な細胞まで圧迫しているのが原因です。
毛細血管が圧迫されて潰れて、内出血みたいな赤黒い色になっています。
小さかったしこりがどんどん大きく、身体の様々な箇所に広がった
前回まで、ここには腫瘍が無かったんですが、今は前面にもプチプチと出ています。
また、肩の後ろ辺りにも触ると同じような大きさの腫瘍が出ています。
元々この辺にあった腫瘍がこっち側にも出ていて、さらに首の辺りにも出ています。
こっちはプックリしているけれど、こっち側はそういう膨れた感じは全然無いんですよ。
最初はこれくらいの大きさだったしこりが、今の私の首幅を見てもらえば分かると思いますが…かなりの分厚さになってきているんです。
さらに頭の近くと、胸の前と肩の後ろ、背中の方にも出てきたので「あの時にすぐに帰国して良かったな」というのが本音です。
徐々に痛みが出始め、痛み止めがないと眠れないほどに
「腫瘍があるだけ」なら私自身もあまり気にしなかったんですけど、徐々に痛みが出てきました。
今は痛み止めを飲まないと眠れないくらい痛いです。
しかも私は、左が術側なんですが、左で物が持ちにくくなりました。
2種類の痛みにメンタルを削られる日々が続く
私が感じた痛みは2種類ありました。
①:触ると痛む
②:拍動性があり定期的にジーンジーンと痛む
「痛み」はメンタルが削られて…本当にしんどいです。
痛み以外に「重いものは腕が痺れて持てなくなる」症状も
痛み以外にも「物が持ちにくくなる」症状が出てきました。
例えば携帯を左手で持っていると、携帯の重みで10分経つと腕が痺れてくるんです。
今までなら多少重くても、左手で物を持てていましたが、今は重い物を5分10分持っただけで腕が痺れてしんどいです。
痛みは悪化し、触れるだけで負担になるように
痛みはどんどんひどくなって、肩に何かが触れるだけで苦痛でした。
肩ひも付きの下着が着けられなくなり、例えば「スロギー」とかのシームレスタイプの下着じゃないと肩が痛くてしょうがなかったです。
首が左に曲げられなくなり、肩こりも悪化
しこりがあると首の動かし方も緩慢になってきます。
横を向きたくても突っ張ってしまうので…右向きはちゃんと曲げられるんですけど、左向きはここまでしか曲がらないです。
首が曲げられなくなると筋肉も固まってしまうので、今は肩こりも酷いです。
「ホットパック」で痛みを緩和していた
先生によっては「腫瘍のぽっこりしている所はあまり揉まないように」と言われますが、私の先生は「自分が心地良いと思うことは何でもしてください」と言うタイプでした。
私は肩を揉んだ時、1番気持ち良い所にしこりがあるので、マッサージには行けません。
なので、痛みを楽にするために「ホットパック」を使っています。
やり方は簡単で、市販されている「あずきパック」みたいなやつを、温めて首に巻くだけです。
私の場合は、寒い場所で筋肉がギュっと締まることで痛みが出て、温めると痛みが和らぐので、ホットパックにかなり助けられました。
「マタニティ用クッション」で首の負担がなくなり、よく眠れるように
首にしこりがあると、寝る時も首が突っ張ってしまい、寝返りを打つと痛みで起きちゃうんです。
そこで私が見つけたのが「MOGUのマタニティ用クッション」です。
マタニティ用クッションには顔が入れられる凹みがあります。
私はそこに頭を入れて、抱きついて寝ていました。
元々は手術後に買ったビーズクッションを使っていたんですけど、私は癖でどうしても病側の左を下にして寝ちゃって…使い勝手が悪かったです。
ビーズクッションを使っていた時は、ちょこちょこ起きて寝る方向も調整しながらなんとか寝ていました。
でもマタニティ用クッションを使い始めてからは、首の位置も保護されて、クッションの厚みで肩と頭の高さも安定したので、よく眠れるようになりました。
さらにマタニティ用クッションを使って寝ると首も変な位置にならないので、寝違えることもなくなって、良いことばかりでしたね。
ただマタニティ用クッションは種類も色々ですが、どれも1万円弱と結構お高めです。
なので私と同じ症状や寝方で悩んでいる方には、クッションの大きさや機能性を考えながら、自分に合ったものを見つけてほしいですね。