注意事項

本記事は、YouTubeで発信されている「乳がんサバイバー看護師」ゆりさんの体験談をまとめたものです。
ゆりさんの担当医である、大阪医科薬科大学 乳腺・内分泌外科 岩本充彦先生の「ゆりさんの一人の患者として、また看護師として、まだ見ぬ誰かを、あるいは多くの乳癌患者を、自身の経験を語ることで勇気づけたいとする想いを繋げていきたい」というお気持ちに賛同して作成しています。

本記事は、ゆりさんご本人の主観を優先しているため、科学的根拠等について医師監修は行っておりません。
そのため、ご紹介内容の実例は全てを保証するものでは無いことをご留意ください。

がんになった時、再発や転移が不安ですよね。

ゆりさんは乳がん治療後、しばらくして首にしこりを見つけ、転移の疑いがあるために帰国を決めました。

今回は首のしこりを見つけた時のこと、そして身体の違和感に気付くために重要なセルフチェックに関するお話になります。

リンパ節から首へがん転移がみられ、放射線治療をしていた

私は元々「腋窩リンパ節」という脇のリンパにがんが転移していました。

リンパ節は第1、第2、第3領域と分かれていて、首は第3領域です。

リンパ節のがんって、第2領域までは手術で取りますが、第3領域は取らなくてもあまり予後が変わらないため、手術しないことが多いです。

もちろん、手術しないからといって放置ではなく、第3領域のがんは放射線治療で対処します。

私も第3領域は放射線治療を行ないました。

ドイツでは治療継続が困難と感じ、帰国を決意

私はボディクリームを塗っている時に首のしこりに気付きました。

しこりに気付いてからは、ドイツで乳腺外科の先生に診察してもらったのですが「かなりの確率で転移が疑わしい。抗がん剤治療が必要」と言われたんです。

そこで日本の主治医に連絡すると「検査の結果次第ですが、転移していたら治療が必要」と言われたので、帰国を決めました。

リンパ節のがんは首に転移する可能性が高く、セルフチェックをしていた

首のしこりを見つけた時、私は元々腋窩リンパ節にステージ3のがん転移がある状態でした。

腋窩リンパ節の手術をして、放射線治療も行なっている間は、首にも転移するリスクがあるということは知っていたので、私はマッサージをする時に首を触ってセルフチェックをしていました。

セルフチェックのおかげで、違和感に早く気付けた

ボディクリームを塗る時に、リンパマッサージ風に顔の真ん中から首元まで上から下にリンパを流している方も多いと思います。

私もそうやっていたのですが、1つ違うのは最後に手の向きを逆にして首のラインをさすっていたことです。

そうすると首のラインをしっかり指先で触れて、しこりにすぐ気付けるんです。

掌だと大雑把にしか触れないので気付かないんですよね。

このように私は「こうすれば自分の身体の変化に気付ける」というセルフチェックのやり方を探して、毎回身体を触る癖をつけていました。

首のしこりが大きくなるスピードが早く、定期検査のタイミングで受診

しこりは確認していたものの、ドイツの病院で検査してもらった時は「そろそろ日本の病院で治療を始めようかな」くらいの気持ちでした。

だから「がん治療が必要になる」と言われた時も、「それなら帰国前にヨーロッパ方面を旅行してから、12月ぐらいに帰ろうかな」と悠長に思っていたんです。

でも首のしこりを触っていると、しこりが大きくなるスピードがかなり早くて…。

私は前回のがん治療後、「6か月に1回検査を受けるとより安全」と言われており、日本で最後に検査を受けたのが今から6か月前でした。

つまりちょうど定期検査を受けるタイミングだったので、すぐ帰国して受診しようと決めました。

セルフチェックを習慣化すれば、早期治療に繋がる

私は最初に首のしこりを見つけた時からずっと「首を動かした時の感覚」や「見た目の変化」を記録しています。

今は記録し始めてから2週間くらいになりますが、ポッコリ感がかなり変わってきています。

「しこりの成長スピードがかなり早いな」と思いました。

がんは病院で検査するのが1番安心なんですけど、受診や検査のきっかけとして「違和感に気付けるセルフチェック」を習慣にしていれば早期発見、早期治療につながります。

再発、転移は正直しんどい。でも逃げずにセルフチェックで少しでも早い対応を

私は首のしこりが大きくなって、肩も片方だけ全然上がらないんですよね。

前から「やや上がりづらいかな」という感じはあったけれど、デコルテはもっとちゃんと出ていました。

でも今はしこりが大きくなって、デコルテも見えないくらいポッコリ腫れてきています。

がんの再発や転移って、せっかく治療を乗り越えて日常を取り戻した人にとってはかなり重い事実ですし、「検査もちゃんと受けたのにどうして?」と悲しくなることもあります。

でも、目を背けずに毎日コツコツとセルフチェックをすることで、早く違和感に気付けます

私みたいに検診のタイミングじゃなくても、セルフチェックで気になることや違和感があったらすぐに受診してほしいです。

参考動画