本記事は、YouTubeで発信されている「乳がんサバイバー看護師」ゆりさんの体験談をまとめたものです。
ゆりさんの担当医である、大阪医科薬科大学 乳腺・内分泌外科 岩本充彦先生の「ゆりさんの一人の患者として、また看護師として、まだ見ぬ誰かを、あるいは多くの乳癌患者を、自身の経験を語ることで勇気づけたいとする想いを繋げていきたい」というお気持ちに賛同して作成しています。
本記事は、ゆりさんご本人の主観を優先しているため、科学的根拠等について医師監修は行っておりません。
そのため、ご紹介内容の実例は全てを保証するものでは無いことをご留意ください。
今回は、ゆりさんの2種類目の抗がん剤治療、アバスチンとパクリタキセル投与のお話になります。
アバスチンとパクリタキセルの性能、投与当日の症状と副作用について紹介します。
2種類の抗がん剤「アバスチン」と「パクリタキセル」の性能
化学療法センターに移り、ルートも採ってもらい点滴が始まっています。点滴を1発目で採ってもらえて、テンションが高かったのを覚えています。
1発でルート採ってもらえるとうれしいんですよね。
2月にアバスチンとパクリタキセルの治療を受けました。この時はまだコロナによる面会規制もなかったので、友だちと話しながら治療を受けていました。
服装もかなり厚着ですね。トレーナーの中に長袖のインナーを1枚着て、かなりゆったりしたズボンをはいて治療に臨んでいます。
まずそれぞれの性能は以下になります。
<薬の性能>
アバスチン:血管新生を阻害する薬
※とくに歯科治療に注意。
パクリタキセル:細胞を分裂するのを阻害する薬
「血管新生、血管新生阻害ってなに?」という感じですよね。簡単に説明します。
細胞は酸素や栄養や血液を必要とします。それはがん細胞も同じで、がん細胞も常に細胞分裂をするのに栄養を必要とし、栄養をどんどん欲しがります。
ですので、その腫瘍自体が新しく血管を作ってほしいと体にお願いするんです。
しかし、血管が腫瘍とつながった時に栄養がたくさん流れてしまい、腫瘍がとても大きくなってしまいます。
そこで血管を新しく作るのを止めるためにこの2つの薬を飲み、腫瘍が大きくなるのを防いでいます。
ただ、人の体というのは毎日毎日細胞が入れ替わる中で、血管ができないと傷が治らないということになるので、かなり大きな悪作用があります。
実際にアバスチンのパンフレットの中には、「アバスチンを使用しています」という患者カードが入っています。アバスチン使用中や、アバスチン使用後には何週間か手術ができないなどの制約もあります。
特に注意が必要なのが、歯科治療です。アバスチンを使っていると、歯を抜くこともできないのです。
ですので、アバスチンを使用している時はさまざまな治療に気をつける必要があります。
今回は投与する時間がアバスチンだけで90分と長かったです。最初にパクリタキセルを1時間落として、アバスチンを90分落とします。2回目以降は90分、60分、30分と減ったので、時間的にはそこまで長くありませんでした。
それほど慎重に投与して、副作用を確認しなければいけない薬を使って治療をしているということです。
パクリタキセルもアバスチンに関しても、点滴投与中に気持ち悪くなるなどはほとんどなかったです。
投与後の副作用を抑える薬
【味覚障害などの副作用を抑える薬】
・牛車腎気丸
・グミサプリ
点滴が終わって帰ってきました。最近よく言っていますが、個人的にはそこまでしんどくなかった印象です。
パクリタキセル自体は前回もウィークリーパクリタキセルという薬を使っていて、その時に手足症候群や痺れ、味覚障害が出ました。今回は症状を抑えるために、牛車腎気丸という漢方とグミサプリを使って亜鉛を補給していこうと思っています。
牛車腎気丸は漢方なのですが、効果がある人と、まったく効果がない人に分かれます。一応薬として痺れに効果があるという有用性は「そこそこあるんじゃないか」と先生がおっしゃっていました。
前回私は牛車腎気丸を知らなかったので飲んでないんですが、今回は飲んでいこうと思います。
今、首の腫瘍がすごく元気で、「ここにいるよ」と主張しています。腫瘍には少し申し訳ないんですけど、元気にならない方向になったらうれしいです。
前回味覚障害が出たので、この亜鉛をしっかり摂って、どう効果があったのかということも今後お話ししたいです。